挟まるヤツら

タコノキ。
鋭利な棘がある固有植物で、果実(種子)は鉄火味噌や果実酒に利用されるため、父島ではおなじみですね。果実は人が利用するだけでなく、オガサワラオオコウモリやネズミ類も好んで食料としています。また、葉や根の隙間をたくさんの生き物が隠れ家として利用しています。

タコノキPandanus boninensis (固有種) 中央左は果実。

さて、そんなタコノキですが、父島のお隣、兄島ではどんな生き物が集うのか気になりませんか。
森林生態系保護地域のコアエリアのため一般の方は入林できない兄島ですが、グリーンアノールの防除作業で渡島する機会があり、いくつか珍しい生き物を観察することができたのでご紹介します。

さて、写真は兄島のタコノキです。
一見なにもいないのですが、葉の隙間になにやら小さな生き物が。

オガサワラコバネコロギス Neanias ogasawarensis (固有種)

オガサワラコバネコロギスです。
はっきり言って快適には見えません。いかにも窮屈そうなのですが、彼(彼女?)にとっては住みやすいのかもしれません。外敵から身を守るためにはとても有利に見えますね。

アニジマイナゴ Boninoxya anijimensis (固有種)

アニジマイナゴも潜んでいました。
固有植物のシマイスノキを食樹としています。夜な夜なタコノキから這い出てきてシマイスノキを食べているといわれていますが、案外昼間でも見かけることがあります。
 

テナガカニムシ Metagoniochernes tomiyamai (固有種)

テナガカニムシ。
カニムシという生き物はご存知でしょうか…。カニムシの仲間は本土でも広くみられ、主に土中に生息しています。その中でもテナガカニムシは体長5舒幣紊棒長し、雄は蝕肢(ハサミ)が体長の3倍以上にもなる世界最大のカニムシです。

そして夜は…

キノボリカタマイマイ Mandarina suenoae (固有種、天然記念物)

キノボリカタマイマイを見ることができました。
樹上で暮らすカタマイマイで、昼間はめったに見ることができません。
父島で広がってしまったニューギニアヤリガタリクウズムシはまだ兄島に侵入しておらず、固有のマイマイがたくさん残っています。

オガサワラヤモリ Lepidodactylus lugubris

最後に、オガサワラヤモリです。
移入分布といわれていますが、国内で確認されている個体は、単為生殖という雌だけで繁殖する生態が知られており、とても興味深い生き物です。

いかがでしたか。今回紹介させていただいた生き物の中で、オガサワラコバネコロギスとオガサワラヤモリ以外は残念ながら父島で見ることはできませんが、海を隔ててわずか500m程度の島に、守るべき貴重な生き物が残っていることを少しでも知っていただければ幸いです。

 

小山田



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