小笠原諸島世界自然遺産登録5周年記念講演会-その-

先日のブログの続きです。
環境省の尼子さんの講演に続きまして、神奈川県生命の星・地球博物館の苅部さんより「昆虫から見た母島列島の重要性」と題して、小笠原に昆虫が進出した理由を説明していただき、母島本島・属島でしか見られない固有昆虫を写真とともに紹介していただきました。近年固有昆虫が減少している外的要因についても説明があり、新たな侵略的外来昆虫のお話もしていただきました。本土での例ですが、衝撃的なことに、ムネアカハラビロカマキリという昆虫はホームセンターで販売されている中国産の竹ぼうきに付着した卵から拡散・定着し、現在も在来のハラビロカマキリを駆逐しながら分布を拡大しているとのことです。
小笠原での定着も大いに有り得るとのことで、要注意です。

続いて、自然研の芦澤から、母島新夕日ヶ丘自然再生区でのアノール防除事業の結果とヒメカタゾウムシや草原性のバッタ・カメムシ、オガサワラシジミのモニタリング調査の結果を紹介しました。また、兄島で行ったラジオテレメトリー法による追跡調査の結果や、化学薬品を用いた新たな防除手法の技術開発の紹介もしました。

最後に、環境省小笠原自然保護官事務所の児嶋さんより、新夕日ヶ丘自然再生区に設置したアノール防除用の電気柵の効果や課題、五感を使ったネイチャーゲームによる自然体験の開催等、島内外の方が学び楽しむ場を目指すといった自然再生区の今後の利活用方針についての説明がありました。

どの講演も聞き応えのある濃厚なお話しで、説明終了後には参加者の方からも多くの質問が出ました。保全対策にはまだまだ課題が山積みですが、着実に1歩を進めるための有意義な講演会となりました。

 

芦澤



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