アノール探索の新兵器

 

「ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン」

 

どこからともなく音が聞こえてきます。

ハエでしょうか?クマバチでしょうか。

 

いいえ、ドローンです!!

 

何故ドローンが?誰かが自撮りしてる??

 

いえいえ、違うんです。昨年の秋、兄島に生息するグリーンアノール を探索するため、なんとドローン空撮部隊(隊員2名)が結成されたのです!

今回は、そんな初々しい部隊員によるドローン空撮でのアノール探索の現状について紹介します。

―写真1 兄島から飛び立つドローン(使用機種:Mavic pro)

 

これまで兄島では、粘着トラップを使ってアノールの捕獲と探索を行ってきました。

しかし、急峻な地形が多い兄島では、人が歩いていくことができず、アノールがいるのかどうかすら分からない場所も多く存在しています。

そこで活躍するのが、無人航空機“ドローン”というわけなのです!

 

ドローン空撮と聞くと、自撮りや上空からの風景撮影など、「手軽に高精度の撮影を楽しむもの」を想像されることかと思いますが、対アノールはそんなに甘くはありません。かなーり低空、植物の真上ギリギリを飛行させるんです。(操作を間違えるとあわや墜落…)

―写真2 樹冠センサス中の様子

 

さて、いざ撮ってみてどうだったかというと…。

 

 

 

思っていたほど映っていませんでした。。

 

まだ兄島ではアノールの密度が低いという現れなのかどうなのか。喜ばしい反面、めぼしい動物が何も映っていない動画をずっと見続けるのはかなり辛いです(苦笑)。

 

以下に、見つかった動物たちをご紹介します。アノールの他にも映りたがりな生き物が…?

 

グリーンアノール Anolis carolinensis

オガサワラトカゲ Cryptoblepharus nigropunctatus(固有種)

オガサワラゼミ Meimuna boninensis(固有種/天然記念物)

シマアカネ Boninthemis insularis(固有種/天然記念物)

 

ドローンを使ったアノール探索、まだまだトライ&エラーを繰り返している真っ最中ですが、使える技術として確立できるよう今後もドローン部隊、出動してまいります!

 

※航空法を遵守し、周辺に人および鳥類等がいないことを確認して、安全に十分に配慮した上で飛行しています。

 

担当:芦澤


小笠原寄席(2)「カラスとハト」

えー、毎度小笠原寄席においでいただき、ありがとうございます。さて、本日のお題は、「カラスとハト」についてということで、しばらくの辛抱をお願いいたします。
まあ、カラスとハトといえば、皆さんには大変なじみがある鳥だと思います。ハトが豆鉄砲を食らったような、とか、カラスが鳴くからかーえろ、などと日常でも、よく使われます。ところが、今回は、このカラスとハトがくっついちゃたというおはなしです。と申しましても、合体ロボみたいに、カラスとハトがくっついた訳ではありませんで、名前がくっついちゃったんですね。

「大家さんいますか」
「これは、源さん、お上がんなさい。どうしました、店賃でも払いにきましたか」
「冗談じゃない、どこを間違って、自分で店賃払いにくる店子がいます。それほど、あっしは馬鹿じゃない」
「何をいってるんだい、店子が店賃を納めるのは常識というもんだよ」
「そんな常識が通じるほど、この長屋は甘くないんで」
「やれやれ、いばられちゃしょうがないね。それでは、どんな用事なんだい」
「それなんですよ。ほら、ニュースを見ていたら、小笠原の島々では、昔に比べてカラスとハトが減ってしまったということですが、本当ですか」
「ああ、それは、カラスとハトではなく、カラスバトのことでしょう。小笠原諸島には、カラスバトの仲間で、アカガシラカラスバトという鳥が住んでいるんだが、絶滅するんじゃないかと心配されているんだ」
「へー、いったいそのカラスバトっていうのは、ハトなんですか、カラスなんですか」
「これは、カラスみたいに黒っぽくて大きなハトなんだが、まあ、カラスみたいなハトということで、カラスバトと呼んだんだな」
「へー、なんだかまぎらわしいね。ところで、なんでまた、そんなに数が減っちゃったんです。おいしそうなんで、焼き鳥にされちゃったんですか」
「まあ、人間が食べちゃった訳じゃないんだが、これには色々な原因があると言われているんだ。1つの大きな原因としては、そもそも小笠原諸島という離れ島に住んでいることがある」
「やっぱり寂しくって、世をはかなんだんですかね」
「そうじゃない。実は、アカガシラカラスバトというのは、カラスバトの亜種とされており、カラスバト自体は、四国や九州、沖縄などにも住んでいる。しかし、いくら空を飛べるといっても、かなり離れているので、それらの島の間を飛び回ることはあまりないんだ。特に、小笠原の島々は、大陸から遠くはなれているため、同じ仲間がやってくることがほとんどない。だから、大昔、たまたまやってきたカラスバトが、小笠原だけで繁殖を重ねるうちに、頭の部分が赤い特別なカラスバトになってしまっている。それで小笠原だけにいる固有亜種ということで、天然記念物にも指定され、アカガシラカラスバトという名前で呼ばれる様になったというわけだ」
「頭を赤く染めてるって、やっぱりヤンキーなんですかね」
「そうじゃないが、小さな島では、もともとその数が少ないために、遺伝的な変異が起こった場合に定着して広がる可能性が大きいんだ。これは、大きなプールに数滴赤い水を入れても、すぐに広がって薄まってしまうけど、小さなコップの中に入れた場合は、コップ全体が、すぐに赤くなってしまう現象と似ている。だから、小笠原にいるアカガシラカラスバトが絶滅してしまうと、他には住んでいないので、この世からいなくなってしまうことになる」
「なるほど」
「それに小笠原のような大陸から離れた小さな島に住んでいる生き物は、害敵や競争相手がいないので、のんびりしている。まあ、坊ちゃん育ちのどら息子みたいなもんだね」
「ははー。だから頭染めたんだね」
「ヤンキーにこだわるね。それが、人間が住む様になってから、ネズミや猫、ヤギなどのこれまで島にはいなかった生き物が入ってきた。のんびり育っているアカガシラカラスバトは、地上に巣を作り、地上で餌を探すことが多いんだが、これは、地上を歩き回る肉食動物がいないから暮らしていけたんだ」
「そりゃそうだ、田舎者がいきなり新宿4丁目の盛り場に放り出されたようなもんだものね」
「同じような例では、沖縄のヤンバルクイナやノグチゲラなどでも当てはまる。ヤンバルクイナは、空を飛べないし、ノグチゲラは、キツツキのくせに、地上で餌をとることが多いんだそうだ。これも、やはり肉食動物がほとんどいなかったからだと言われている。そこに、肉食者のマングースが入ってきたもんだから、大変なことになった。いまでは、マングース退治に膨大なお金と人手をかけている」
「へー」
「さらに、アカガシラカラスバトが、もともと餌をとっていた森も外来種の樹木にかわったり、ネズミに餌を奪われたりして餌も不足しがちなんだね。それに、ノネコに襲われたりしていたんだよね。しかし、最近では、ハトの住んでいるところにノヤギやノネコが入り込まないようにしたり、捕まえたりすることで、安心して餌をとれるようになり、かなり回復しつつあるそうだよ」
「へー、そいつは良かった。やっぱり、カラスバトだけに、いろいろクロウするんですね」
「いやー、ハトだけに、ピジョンが大事なんです」
お後がよろしいようで。

地上で餌をとることが多い、アカガシラカラスバト

 

挿絵・文:福山研二(自然環境研究センター客員研究員)


小笠原寄席(1)「世界遺産」

本日は、小笠原寄席においでいただき、誠にありがとうございます。これから、不定期に、小笠原諸島に関連するお話をして参りたいと思っておりますので、ごひいきにお願いいたします。


「ご隠居さん、いますか」
「おお、これは八さん、お上がんなさい」
「はい、いただきます」
「何を言ってるんだい、食べ物をお上がりと言ってるんじゃないよ、こっちへ上がんなさいと言ってるんだ」
「そんならはじめからそういやいいじゃないか。どっこいしょっと」
「それで何か用かい」
「そうなんですよ、ご隠居は物知りで知らないことはないって評判なんでね、ちょっと聞きたいことがあったんですよ」
「そうかい、まあたいていのことは知ってるよ」
「それじゃ、家のかかあのへそくりの場所知ってますか」
「そんなものはわかりゃしないよ」
「まあ、それは冗談ですが、最近セカイイサンがどうたらこうたらって話を聞いたんですが、胃散なんかほしがるなんて、二日酔いかなんかになったんですか」
「その胃散じゃないよ、世界遺産と言うのは、ユネスコに事務局がある世界遺産委員会というものが定めたもので、後世に残すべき優れた自然や景観、文化などのことさ。日本でも、白神山地や屋久島なんかが真っ先に登録され、最近では、小笠原諸島が登録されたな」
「へー、小笠原さんは遺産がたんまり転がり込んで、大もうけって訳ですか」
「遺産と言っても、お金ではないんだ」
「じゃ、何が転がり込んだんです」
「小笠原諸島は、これまで大陸とは陸続きになったことがない海洋島で、大陸や大きな島からも千キロ以上も離れており、たどり着いた生き物が独自の進化を遂げつつあると言うのが、評価されたんだ。世界遺産と言うのは、小笠原の人がもらうのではなく、世界中の人がもらうということさ」
「えー、それじゃ、逆に損じゃないですか。なんでわざわざそんなことしたんです」
「まあ、世界が認めたすばらしい自然だと言うことで、世界中の人がやってくる様になり、国や都などもそれなりの支援をしてくれる訳さ」
「広告の看板みたいなもんですね」
「これも小笠原が海洋島だったことによるんだ」
「えー、その海洋島ってのはいったいなんです」
「さっきも言ったけど、海洋島と言うのは、島ができてから一度も大陸とつながったことがない島のことなんだ。」
「そんなー、島がくっついたり離れたりするもんですか、最近の芸能界じゃあるまいし」
「まあ、確かに人間の短い一生からすれば、島がすいすいと動いて大陸につながるなんて事はないんだが、数万年数十万年ともなると、海面が低くなってそれまで海だったところが干上がって、陸続きになったりするんだ。特に日本列島の様に大陸に近い島は、大陸棚と言われる浅い海の上にできているので、少し海面が下がっただけで陸続きになった訳だ。八さんが住んでるこの東京だって、大昔には大陸と陸続きになっていたらしい」
「へー、それじゃ昔は歩いてパリにだっていけたんだ」
「まあ、当時はパリなんてないけど、そのとおりだよ。それが証拠には、大陸にしかいないゾウの仲間も日本で化石になって見つかっている」
「ははーん、ゾウも落語聞きにきたかったんですね。そんじゃ、小笠原だってくっついたんじゃないんですか」
「実は、海面が下がると言っても100mとかせいぜい200mくらいなので、1000m以上も深い海を隔てている上に、1000kmも陸からはなれているので、つながることはない。まさに絶海の孤島、海洋島というわけさ」
「へー、ちょっと寂しいですね」
「まあ、その海洋島だからこそ、世界遺産としての価値が認められたって事だね」
「どうりで、カイヨウだけにイサンが効くでしょう」

お後がよろしいようで。

世界遺産の島小笠原父島(小港海岸)

挿絵・文:福山研二(自然環境研究センター客員研究員)


父島で開催!「ハンミョウの知られざる世界」

父島にある小笠原世界遺産センターで飼育しているのは小笠原のマイマイだけではありません!今月はオガサワラハンミョウのイベントを行います!!

かつては、父島と兄島に生息していたオガサワラハンミョウですが、今は兄島で生息が確認されるのみ。。。絶滅が危惧されるオガサワラハンミョウを守るため、世界遺産センターでは日々、保護増殖中!!

イベントでは、関係者以外立ち入り禁止のバックヤードをガイド付きでご案内!飼育の様子やオガサワラハンミョウが間近に見られちゃいます♪♪

小笠原在住の大人も子供も、父島滞在中の観光客皆さんも、12月17日はぜひ世界遺産センターへ♪
※バックヤードツアーは午後からです。
※お申し込みは不要です。

詳細はこちら↓↓

涌井


二度目の参戦、例大祭相撲大会

2017年11月2日、今年も例大祭相撲大会に参戦しました。個人戦77名、団体戦14チーム(1チーム5名)のエントリーです。昨年は、個人戦、団体戦とも初戦敗退で、取り組み時間は2つ合わせて5秒程度で終わってしまい、今年こそ初勝利をと臨んだ大会です。

 

個人戦は、初戦が団体戦2連覇(今年も優勝したので3連覇になりました)さくらドロップの一角を担う相手、強敵です。いつものように突貫するのみと立ち合い突っ込みましたが、相手が右にかわり、とっさについていって右上手をとれたので、そのまま土俵際での上手投げが決まりました。場内は大番狂わせに大騒ぎで自分でも何が何だかわからないうちの初勝利でした。動画があれば是非もう一度見たいものです。

 

二戦目は、大人気の高校生が相手です。まわしをとられると勝ち目は薄いですが、私の方が体は大きいので低く当たって押し出せば勝機もあるはずです。立ち合い、思い通りの当たりで相手を押して、土俵際そのままあびせ倒すような形で勝つことができました。

個人戦の二戦目 土俵際まで押して浴びせ倒しでの勝利

なんとかベスト16に残ることができましたが、ここから先は全員実力者ぞろいです。三戦目は、役場の方で私よりも随分体格のいい相手です。いつものように突貫しましたが押すことができず、両差しを許してあっさり投げられてしまいました。完全な力負けです。

個人戦の三戦目 土俵中央でもろ差しを許し下手投げでの敗戦

団体戦は、大神山Aチームとして漁協Bチームと最初に対戦しました。一回戦は3対2で勝ち越し、何とか次にすすむことができましたが、二回戦の支庁チームには2対3で負けてしまいました。しかし、団体戦はチームで戦うので、同じチームの仲間と連帯感が生まれ、応援にも熱が入りました。

団体戦の一回戦 低く当たって押し出しでの勝利

今回の相撲大会は、初勝利はもちろんですが、個人戦はベスト16まで進むことができ、はじめて懸賞金もいただきました。団体戦でも2戦とも勝つことができたので、正直できすぎだったと思います。島の友人や知人からも応援してもらい、顔と名前も覚えてもらったので、本当に出てよかったと思います。来年以降も出場するつもりです。

 

北浦



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