宅地のアマサギ

ブログのネタ探しにパラパラとスマホの写真を見ていたら、ん?と思う写真が↓

 

2018年10月 父島住宅地(?)にて

(右の写真、おしりのあたりが・・・あっ・・!)

 

ん〜、今見ても違和感。

 

この鳥、アマサギ Bubulcus ibis と言って、渡りの途中で小笠原に立ち寄る個体を見かけます。

が・・・

本州の感覚でいうと「アマサギって水辺とかにいるよね・・・??君がいるの、近くに河川があるとはいえ住宅地なんだけど・・・。」と撮影しながら心の中で突っ込んでいた記憶があります。

 

他の陸地から遠く離れた洋上にポツンと浮かぶ小笠原では、島の大きさなのか、田んぼや河川が少ないからなのか、長距離の渡りで疲れたからなのか、このアマサギのように普段の生息地とはちょっと違う環境でウロウロしている姿がみられることがあります。

 

やっとこさ辿り着いたら、

「自分の家だろうが、他人の家だろうが、とにかく休憩できれば関係ない!巣作るわけじゃないし。」みたいな感じなのかしら。笑

 

そんなことを思いながら写真を見ると、少しルンルンして見えてくる♪

 

涌井


決死の大移動

父島では夜間の路上でしばしば生き物に出会うことがあります。

世界各地でみられるクマネズミや特定外来生物のオオヒキガエルなど、外来種がその多くを占め、車に轢かれて煎餅のようになっている姿がよくみられます。

6月頃にはシロアリが大量発生するため、夢中になって食べているときに轢かれてしまうこともあるようです。

 

オオヒキガエル(Rhinella marina)     クマネズミ(Rattus rattus)

煎餅になったオオヒキガエル。哀愁を感じる

 

3月頃になると、ひときわ大きい影を見かけます。

オガサワラモクズガニ Eriocheir ogasawaraensis

 

オガサワラモクズガニです。

本土に生息するいわゆる「モクズガニ」とは形態的に異なることがわかり、2006年に新種記載された小笠原の固有種(環境省レッドリスト絶滅危惧粁燹VU))で、遺伝的にも違いがあるようです。

なぜ彼らが死のリスクを冒してまで移動するのか、その理由は繁殖のためです。

モクズガニは主に河川の淡水域に生息していますが、卵から孵化した幼生は海域でなければ生きていけません。したがって、繁殖をする個体は河川を下る必要があるのです。

海域である程度まで成長した個体は河川を遡上し、成体になるまで淡水域で暮らします。

 

オスとメスで腹部(ふんどし)の形態が異なる。

白いオガサワラモクズガニ。色素異常だろうか。

 

一度繁殖に参加した個体は二度と河川に戻ることなく、その一生を終えます。

決死の大移動、オガサワラモクズガニを見かけても食べたりせず、見守ってあげてください。

 

 

担当:小山田


ハンミョウお面を作ってみよう!

オガサワラハンミョウという虫をご存知ですか?

以前は父島にも生息していましたが、今は兄島にしか生息していない、貴重な昆虫です。

 

昨年開催されたハンミョウのイベント、「遊んでみようオガサワラハンミョウ!」の中で、オガサワラハンミョウのお面を作ってみようという企画がありました。

今回は、ネットを通じてご覧になっている皆様にも、ハンミョウお面を作ってもらおう!ということで、まずは・・・

 

 _爾離ぅ薀好箸鯤歛犬靴討ら、A4サイズの紙に、拡大縮小せずに印刷してください(厚紙に印刷したほうが作りやすいです)。

 

▲ぅ薀好箸鮖罎ら切り抜いてください。

7蠅鬚△韻泙后“あな”と書いてある部分に穴をあけてください。

だ擇蠎茲辰織ぅ薀好箸髻穴をあけたお面本体にのりを使って貼ってみましょう。

ズ埜紊忘険Δ涼爾砲△觀蠅砲魯乾爐鯆未掘⊆にかけられるようになったら完成です。

 

これをかぶれば、ハンミョウになりきれますよ!

 


過度に角??カドカドガイ!

みなさんはご存知でしょうか。

カタツムリの楽園と謳われたこの小笠原にあって、ひときわ奇妙な陸貝のことを…。

陸産貝類と言えば、読んで字のごとく陸に生息する貝を指しますが、今回ご紹介する陸貝(?)は海辺に住んでいるんです!

 

今回探したのは、こんな潮もかぶって石がごろごろするところ。

 

しばらく探し続けていると…いました!!

(アップで撮っていますが、実寸は殻の大きさ2伉度です。ちっちゃい!)

 


カドカドガイ属の1Ditropisena sp.(固有種/天然記念物)

 

名前も奇妙なこのカドカドガイはカワザンショウガイ科の仲間で、この科に属する貝は種によって淡水域や海水域、陸域と幅広い生息域を有しています。小笠原では、同科の種の多くが陸域に生息していますが、このカドカドガイは頑なに海辺から離れず…。飛沫帯の転石をえっちらおっちらひっくり返し続け、ようやくお目にかかれました。

いったいそこの何がお気に入りなんだろうか(笑

 

担当:芦澤


淡水のフナムシ、ナガレフナムシ

私は、幼少期から趣味で川の生き物を探し続けている川好きです。

小笠原といえば、川より海に目が行ってしまいがちですが、川にも面白い生き物がいるんです。以前にオガサワラヨシノボリのブログを書きましたが、今回は固有のフナムシを紹介します。

 

さて、フナムシといえば、海岸にいるゴキブリのような生き物という印象が強いのではないでしょうか。同じ節足動物には属していますが、ゴキブリは昆虫類、フナムシは甲殻類でダンゴムシなどに近い仲間です。

海岸で寝ながら釣りをしていると足を齧ってきたりする、ちょっと凶暴な一面を持つフナムシですが、小笠原には山間の渓流部などに生息する「ナガレフナムシ」なるフナムシが存在します。

ナガレフナムシ(Ligia torrenticola)固有種。

 

ナガレフナムシは2011年に新種記載された種で、淡水域を好み、海岸部では見られません。

何ゆえに、彼らは海を離れ淡水域で生息することを選んだのか。それは今後の研究で解明されていくのかもしれません。

因みに、私はナガレフナムシに足を齧られたことはありません。ちょっと臆病なのかもしれませんね。

 

小笠原には他に海岸に生息するアシナガフナムシや、母島の山間部に生息する、純陸棲の種であるオガサワラフナムシが確認されています。フナムシの仲間が小笠原の中だけでこれほど多様な環境に適応しているのは、驚きというほかありません。

 

ナガレフナムシを撮影していたら、他の生き物の写真も撮れたので、載せておきます。

お時間があれば、ご覧ください。

ヤマトヌマエビ(Caridina multidentata)広域分布種。

水槽のコケ取りとして、ペットショップでおなじみ。

オオウナギ(Anguilla marmorata)広域分布種。

熱帯域に広く分布し、小笠原の河川ではよく見られる。

 

担当:小山田



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